森林資源活用施設整備事業の今までの経緯
その前に…
・ 木質バイオマスエネルギーって何?
一言で言うと、木材をエネルギー源として熱や電気を得ようというものです。
直接燃料、炭化、ガス化、メタノール化など様々な方法が開発され、実用化されているものもあります。私たちが日頃使っている木炭や竹炭などもそうだと思います。
バイオマスエネルギーの目的は3つあるといわれています。
1、石油などいずれ枯渇する地下資源と違ってバイオマスは再生可能である。
2、遠い外国から運んでこなくても済む、使うところの近くで生み出せる地域自立型の資源である。
3、大気中の二酸化炭素の量に影響を与えない。
※(大気中の二酸化炭素が増し、地球の温暖化が進んでいます。なぜ、二酸化炭素が増えるのかというと、化石燃料を使いすぎているからです。化石燃料は大気中の二酸化炭素を吸収した植物が何億年もかけて地下に封じ込められたもの。それを、私たちは掘り起こし、燃やし、大気中に撒き散らしており、二酸化炭素濃度が増しているという現状があります。そういった燃料とは違い、バイオマスは大気中の炭素の循環利用といわれています。大気中の二酸化炭素を植物が光合成で吸収、固定する。それを燃やすだけであれば、その二酸化炭素はまた、光合成で固定される(植物の成長)。木を燃やしても大気中の二酸化炭素は増えも減りもしない。ただし、森林が森林として保たれていることが前提です。森林破壊でのエネルギー利用では化石燃料、ゴミの有効利用となんら変わりはありません。)
・ 町の生み出す“木のゴミ”はエネルギー源にになるの?
解体現場や解体木材がただ捨てられ燃やされるのでなく、エネルギー源として活用できれば…。ただし、解体材を燃やして使うには、解体材に含まれる各種有害物質の課題があります。これらをいかに排除し、無害化するか。木造住宅解体廃材の再利用のポイントはここです。
・ バイオマス利用の動向
EUでは再生可能エネルギーを1995年の5.4%から2010年には11.2%に引き上げる計画で、その増える部分はほとんどバイオマスが担うことになっているようです。
日本での木質バイオマスエネルギーへの取り組みは、岩手県と県内の市町村、秋田県二ツ井町、福井県今立町など、林業を抱えているところで製材廃材、林地残材の活用策として、バイオマス利用に期待されています。さらに、企業や大学では新エネルギー利用や、林業活性化への研究として取り組んでいるところもあるようです。
・ 白川町での取り組み
▽平成13年、町と町内木材産業従事者により、「木煙(もくもく)トリートメント推進会議」を設けて、今後の木屑などの処理について検討・研究をおこなってきた。この会議の検討内容を基に、県からも指導を仰ぎ、林業・木材産業から排出される木屑を利用した発電及び熱利用施設を整備することにした。
この背景には、平成14年12月から「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則」の改正により、大小問わず焼却炉の構造基準が厳しくなり、現在、木材産業事業者などが使っている焼却炉がほとんど使えなくなる、また、ダイオキシン対策を備えた焼却炉の設置は莫大な費用がかかり、ダイオキシン検査をひんぱんに行わなければならず、その費用も高額である…ことがある。
▽平成13年9月、県主催の「北欧・ドイツのバイオマスエネルギー事情調査団」に町職員、議員、東濃ひのき製品流通協働組合から、1名づつが参加(報告は広報しらかわ2001年12月号)。
▽平成13年12月議会で、有田がバイオマスへの取り組みについて一般質問、以下「」は執行部答弁の要約。
「14年12月の法改定により、木材関連業等が現在使用している焼却炉のほとんどが使用できなくなる。(違反者は3年以下の懲役・300万円以下の罰金)
そこで、林業・木材関連産業の円滑な事業展開を支えるとともに環境に配慮したまちづくりをめざして、木質廃棄物を利用したバイオマスエネルギーの活用施設を国庫補助事業の利用により整備することにした。東濃ひのき製品流通協働組合を事業主体として木っ端クズ、カンナクズ、住宅廃材などを破砕、チップ化し、これを燃料としたボイラー設備を設け、そのエネルギー活用として木材乾燥施設と施設の電力利用を考えている。また、破砕チップはペレット製造施設を設け、今後の有効活用を図っていきたい。」
さらに、この事業を広域で取り組めないのかと質問したところ…
「声をかけてみたが、良い返事はもらえなかった」
▽平成14年2月議員協議会での説明。
@ 処理する端材・廃材―町内の林業・木材関連事業所から発生する樹皮、のこク
ズ、かんなクズ等 処理可能量15.000トン。
Aチップ化設備―処理能力約3トン/h 一次破砕機、二次破砕機、ふるい、ベ
ルトコンベアー
B木屑ボイラー及び発電機―木屑処理量 約1.85トン/h
木屑焚ボイラー、蒸気タービン、発電機、集塵機、冷却機、煙突、クーリングタワーなど
▽平成14年3月、14年度予算成立…森林資源活用センター整備事業に4億6千30万円。国50%・県10%で3億円、町30%で1億6千万円、事業主体10%で5千万円、合わせて5億円の事業費。
▽平成14年4月議員協議会での説明
処理物として、バーク、背板、おが粉、端板、解体廃材、林地残材など。
発電量―500〜600kw
事業費―国庫補助金…2億5000万円
県補助金…5000万円
町補助金…1億5000万円
組合補助金…5000万円
県から、製品流通組合に1名出向との説明
地権者、藤井地域での説明会日程や流通組合理事会、建築組合での説明などの話あり。
ここで、ペレット化への計画は無しとなる。ただし、将来計画として残しておきたいとのこと(?)公共施設のペレットストーブの普及などの可能性など期待していたのに…。
木質ペレット…木材チップ燃料はそれに対応しようとする燃焼装置が大型化してしまうため、木材を細かく粉砕、乾燥後高温高圧で径6〜8ミリの円柱状にかためたものにして小型の燃焼装置にも対応できるようにしたもの。化学物質の添加無しの100%木材。
この頃、事業に関しての処理量など、根拠になる資料の提出を求めても、これといった資
料が出てこず。困惑。
▽平成14年6月定例会一般質問 横家議員と有田が森林資源活用センター整備について質問「」は執行部答弁の要約
横家議員の質問…燃料は計画どおりに集められるのか、施設の安全性、財政的な面での運営など
「年間15000トンの発生を見込んでおり、受け入れた燃料の量に応じて運転する。12月からの焼却炉の構造基準に適合したものであり、新建材の混入があっても大気汚染の害はない。森林資源活用研究センター・県森林アカデミーとも連携し事業を進める。附帯する大型木材乾燥施設の設備で利用の増大を図る。建築端材・廃材などの処理費を軽減することで、木材単価に費用が添加されることのないようにできる。」
有田の質問…現状と課題(町と組合の連携、情報収集、情報交換、議論が十分されているとは思えない)
「現在、用地・地元関係者に説明と視察を実施している。現在組合において設計施工を発
注する業者を選定し、設計・運営計画をまとめている。課題は、周辺環境に充分配慮した
施設として地元住民に理解を求めていくことと、組合員などの負担を最小限に抑え、利用
確保のためのランニングコストを抑える効率的な施設運営である。廃材をそのまま受け入
れる計画はない。ただし、分別された柱材などを有価でうけいれることは可能。焼却灰は
燃焼量の約3%発生する見込み。防腐剤等を含んだ木屑を大量に燃やさなければ有害物質
はほとんど含まれず、有効利用が可能。それが不可能な場合は産廃業者へ。発電機はボイ
ラー、タービンなどへの直接消費のほか、プレカット工場にも利用したい。平成15年以
降の計画としては、国の制度などを利用し、木材乾燥施設を整備していきたい。それ以外
の今後の国、県の支援の見通しは立っていない。」
今後の事業主体へのこの事業についての補助は町財政を考えるとむつかしいと考えるが、
それについてはどうか?という再質問に対し、
「ペレット化など今後の研究事業には補助していかなければと間がえているが、運営事業
に対しては補助はしない予定である。」
一般質問後の休憩中に、組合員がまとまっていない状況を危惧しこの事業がやっていける
のかと町長に聞くと、「やっていける!」と自信ありげな返事。…この自信はいったいどこ
からくるのか?
▽平成14年9月議員協議会において説明
木屑ボイラーに関する廃掃法上の扱いについて、定義が明確化される。
今回の森林資源活用センターは、法律上、廃棄物処理施設に該当する。
(他人に有償で売却することができない木くず、または費用を受け取って譲り受けた木くずを燃料とするものは廃棄物処理施設に該当する。)
「廃棄物処理施設」という名前だけが一人歩きするのを危惧している…との説明。
・こういった中で…
こうして、事業が進む中、事業主体である東濃ひのき製品流通組合の組合員の中から、
「この事業を中止できないか」等の意見が、有田のほうへ届いたりしました。その背景には、組合内部での、説明、情報交換、議論が非常に少ないと感じていました。
私も取り組みへの研究不足を感じます。(だから、木を燃やしてもダイオキシンが出る等という説明になるのでしょう)法改定に伴い、たとえば、焼却炉を作る会社や、ボイラーを制作する企業なども、コストを抑え、また、法の網をくぐる製品を研究しているという情報もいただきました。
事業が計画に乗る前には、ある建築業者さんから、「建築廃材・端材処理になんとか町は動いてくれないか」というご意見も直接伺っていたのに・・・。
さらに、他業者からは、「なぜ、木材関係の業者の廃棄物にだけ町は補助していくのか?他の業者も廃棄物では苦労しているのに…」という声もあります。
いろいろな、課題を抱えながらの事業展開に、ヨーロッパやアメリカのように国策として自然エネルギーに取り組むことがされていないわが国で、小さな自治体が、国県の補助50%ポッちで、動くこと自体、厳しさを感じていますので、余計に町民や関係者の理解と努力が必要になっています。そして、そのための情報の公開と議論の場も!
議会の動き方にも、もどかしさを感じています。
国の予算配分のシステムや、廃棄物に関しての根本的解決がされていないことや、目先だけの机上の法づくりなど、大きな壁につきあたります。
いろいろな可能性を秘めていたはずの新エネルギー事業というよりも、廃棄物処理の感が強い事業です。(最初はやはり、建築廃材などの処理を研究していたものですから)そして、「廃棄物」問題は避けては通れない問題でもあります。
廃棄物は廃棄物として、木質バイオマスに関しても、全国の研究機関と連携をとって、研究を進めていってほしいと思います。
・解体木材からエネルギーを!?11の提案(神奈川森林エネルギー工房)
@循環の再生―木質バイオマスエネルギーを広く知ってもらう
A安心して燃やせる家をつくる
B木材とそれ以外を分けやすくする
C化学物質を含む木材を除外する
D化学物質を取り除く方法を開発する
E燃料に加工する(ペレット化、ガス化など)
F燃やす為の設備をつくる(ストーブ、ボイラーなど)
G燃やす方法を工夫する
H法律を整えるー木を燃やすことをめぐるきまり
I解体木材の資源化を保障する仕組みをつくる
J社会的コスト負担の適正な配分
※ 以上を書くに当たって、今回のバイオマス事業に関して調べた祭の様々な資料から引用しました。急いでまとめましたので、不十分な個所もあるかと思いますが、ご了承下さい。また、ご意見等いただければ幸いです。(有田まゆみ)